准看護移行教育センター

省令改正の内容と2年課程通信制の概要

 

2003年5月・日本医労連

 

T 養成所指定規則の一部改正の内容

 

1、改正の趣旨

 国民が望む質の高い医療の提供に資するため、看護職員の資質の向上を図る方策の一つとして、准看護師が看護師の資格を得るための教育を受けることを推進する必要がある。

 しかしながら、准看護師が看護師の資格を得るための看護師学校養成所2年課程については、勤務時間等の条件が合わない、勤務場所の近くに学校養成所がない等の理由により、現に業務に従事している准看護師が業務を継続しながら通学することが困難である現状にある。

 このため、免許を得た後10年以上の就業経験を有する准看護師については、十分な実技能力を有しているものと考えられることから、臨地実習を印刷教材等による授業及び面接授業並びに病院の見学により行うとともに、大学や他の医療関係職種の学校養成所における履修を認めること等とした通信制の2年課程を創設し、准看護師が看護師の資格を得るための教育の拡大を図るなどの改正を行うものである

 

2、改正の概要

(1)通信制の2年課程の新設

・入学資格は免許を得た後10年以上業務に従事している准看護師

・授業の方法は通信制(印刷教材等による授業、放送授業、面接授業、メディアを利用して行う授業)とする。臨地実習については、印刷教材等による授業及び面接授業並びに病院の見学により行う

(2)大学や他の医療関係職種の学校養成所で履修した単位の認定

・(2年課程通信制だけでなくすべての)看護師学校養成所においては、各学校養成所の判断により、大学や他の医療関係職種の学校養成所等で既に履修した科目については、その科目の履修を免除することができるものとする

 

3、施行期日

2004年4月1日

(来年4月実施が確定。ただし、本省令の公布をもって準備作業は可能となった)

 

 

U 2年課程(通信制)の概要

 

1、入学(入所)資格

免許を得た後10年以上業務に従事している准看護師 (通算の就業期間。パート等も可)

2、修業年限

2年以上 (単位がそろっても、2年たたないと卒業できない)

 

3、教育内容

現行の2年課程と同等のものとする (別紙「2年課程通信制の教育内容について」参照)

 

4、教育方法

(1)授業の実施形態

 2年課程(通信制)を設置する養成所が、通信学習については、印刷教材、放送等による授業を行った上で、添削指導を行う。また、臨地実習については、紙上事例演習、病院見学実習及び面接授業により行うものとする。

(2)単位の認定方法

 1単位ごとにレポート提出又は単位認定試験を行うことを標準とし、一定基準を超えた者について単位認定を行う。なお、総単位数の2分の1を超えない範囲で、放送大学、他の専修学校等での履修科目の免除を行うことができる (実際には、半分近い単位を放送大学で取得することになる。履修の免除とは、養成所の単位として認めるということ)

 

5、必要人員

 専任教員は、他の2年課程と同様に7人以上、レポートの添削指導員は10人以上(非常勤で可)、事務職員は通信制に付随する事務処理に必要な数など。

 

6、臨地実習

(1)教育内容

 紙上事例演習(ペーパー・ペイシェント)、病院見学実習及び面接授業を内容とする。面接授業においては、同時に授業を行う学生又は生徒は40人以下とする。 (教育の質が確保できれば40人以上も可。面接授業は病院など養成所以外の場所でも実施できる

(2)実習施設

 学生が勤務している施設以外で、既に他の看護師養成所(2年課程通信制を除く)の実習施設として承認を受けている施設を実習施設として選定する。実習施設は原則として、2年課程(通信制)を設置する養成所の都道府県内で、各専門分野について少なくとも1施設を確保する。 (ここに言う実習施設とは、病院見学実習を行う施設のこと。近くに実習指定病院がない場合など、勤務病院でも違う職場で認められる場合がある)

 

7、施設・設備

 面接授業の実施に必要な教室、実習室等の施設・設備を有すること。なお、既存の課程に併設する場合は兼用することができる。また、学生の自己学習の便を図るため図書の充実を図るとともに、通信学習に必要なビデオやコンピューター等の視聴覚教材等を有すること。

 

8、その他

 1996年の看護師等養成所の運営に関する指導要領の改正で導入した2年課程(通信制)は、廃止する (今回の2年課程通信制は、就業経験の長い准看護師を対象とした新たな制度)