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9月に開催された08年関東医療労度学校「御岳教室」

 

 今年で42回目を迎えた恒例の関東医療労働学校(御岳教室)が、9月13日〜15日の日程で青梅市にある御岳山の御岳山荘で開催されました。今年の参加者は13組合1分会から45名、内16名が初参加で、役員を除く11名が3日間全日程に参加して受講証を受け取りました。
 3日間とも天候にも恵まれ、豊かな自然環境の下で多いに学び、都内各地の病院や施設で働く労働者同士めったに持てない貴重な交流の場として、充実した3日間を過ごすことができました。

 

   


 以下は医療労働学校の日程と、参加者の感想文を一部ご紹介します。



08年関東医療労働学校御岳教室

【 日 程 】

1日目

13:00−13:30

 

開校式

13:30−17:00

 

講義 「現代の青年と人間らしさの問題」山田 敬男先生

17:00−18:00

 

分散会

18:30−

 

夕食

20:00−

 

キャンプファイアー/自由交流


第2日目

07:00−08:00

 

ラジオ体操、掃除

08:00−

 

朝食

09:00−12:00

 

講義 「労働者階級とその闘い」山田 敬男先生

12:00−13:00

 

昼食

13:00−14:00

 

レクリェーション(御岳山散策)

18:30−

 

夕食

20:00−

 

大交流会/自由交流


第3日目

07:00−08:00

 

ラジオ体操、掃除

08:00−

 

朝食

09:00−12:00

 

講義 「情勢を考える」山田 敬男先生

12:00−13:00

 

昼食

13:00−14:00

 

分散会

14:00−15:00

 

閉校式

 




労働学校に参加してほんとうによかった

 民間病院 40代調理員

 
結論から言えば労働学校に参加して本当に良かったと思います。この3日間で学んだ事を職場に戻って是非活用したいと思います。

様々な職種の方と職場の壁を乗り越えて有意義な意見交換が出来た事、分会を立ち上げてから6ヶ月間悩み不安を抱えながら行って来た事が正しかったと確信出来た事、正直あとどれ位の時間が残されているかわかりませんが、最後まで諦めずに闘って行こうと思います。

自分だけが大変なのではなく、様々な病院で、多くの仲間が、自分達の権利を守り不正を正していく為に日々努力をしている事がわかり、私自身の力になりました。

分散会、交流会で知り合えた沢山の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。有難うございました。


《労働学校全体について》
 
初めての参加でしたが、現在不安や不満をかかえて勤務・団体交渉中の中で身心共にリフレッシュ出来、同じ医療現場で働いている沢山の仲間から、勇気と力をいただきました。




「1人の100歩ではなく、100人で1歩を」目標に

 公的病院 30代看護師

 
今回、労働学校に入るにあたり自分が課題としていたのは、?組合加入をどう勧めていくか。?青年組合員をどう成長させていくかでした。その中で、「1人の100歩ではなく、100人で1歩を」目標にしていましたが、どうしていったらいいか分かりませんでした。

討議の中で「1人の100歩の方が簡単だが、100人を動かすのは本当に大変。でも、本当に100人が1歩でも前に進めたら、その組織にとっては得がたいものになるし、組織を存続させるためにも大事」「大事なのは、それまでのプロセス。「納得」と「共感」で粘り強く働きかけていくことが必要」とアドバイスされました。これまで、自分は分かったつもりで、1人で頑張ってきたように思うし、相手にそれを押しつけてきたかもしれません。今回の労働学校での学びや討議を通して、そこから脱皮したいと思いました。

「納得」と「共感」を得るには、何のために活動するのか、なぜ今、組合が必要なのかを語っていく必要があります。その上で、情勢の理解がポイントになってくると思うので、是非自分の言葉で語れるようになりたいです。また、「詩人の心」をもつことがいかに大事かはメンタルヘルスで苦しむ若い組合員との関わりで痛感しますが、今の酷い実態で働くスタッフはさらに苦しんでいるので、「詩人の心」で接していきたいです。来年は、年間の成長と成果をたずさえて、複数で参加します!!


《労働学校全体について》
 
学び多き3日間でした。久しぶりに青春時代に戻ったようで楽しかったです。

思ったより若い人が多くて正直安心しました。自分より若い人や解雇に対して全身全霊で闘っている方もいて本当に励まされ、自分もまだまだ頑張らねば、と思いました。




社会情勢と組合の活動が密接につながっていると感じた

 民間病院 20看護師

 
組合員となって1年、何も分からない状態で言われるがままで活動に参加していました。

ストライキの内容に対しても、「これは言いすぎだ」と感じることもあり、組合の活動に不満を感じることもありました。しかし、今回参加させて頂いて、どうしてその訴えが出てきたのか、どのような活動を実際に行っているのかがわかり、自分もその活動に積極的に参加していきたいと思うようになりました。

又、社会情勢に対しても、メディアから得られるものは表面上のもので、自分がとらえていたものとは大きく認識が違っていました。

政策1つにも真意があり、又様々なもくろみがある中で社会情勢と組合の活動が密接につながっているのだと感じ、今後、もっと学習を深めて見極められるようにしていきたいです。


《労働学校全体について》
 
参加してとにかく良かったです。

組合の活動を漠然としかとらえられてなく、又勉強する機会がなかったので、今回参加できたことで頑張って活動していこう!!と思えるようになりました。




わかりやすい講義といろいろ語り合えたのがよかった

 大学病院 20代看護師

今年で看護婦としても労組組合員としても3年目になりますが、正直、1〜2年目のときは、自分が仕事を覚えることにいっぱいいっぱいで、労組の活動に関心をもつことができませんでした。3年目にようやくなり周囲に目を向けることができるようになってきたのと、あと自分の職場は看護婦が少なく大変な状況なので、自分にも問題意識が芽生えてきていたので、先輩に労働学校に行きなさいと言われたときに、行って勉強しにいこうと思って参加しました。労働学校では講義はわかりやすくいろいろ考えることができてよかったのと、交流会や分散会でいろいろ語り合うことができたのが、今の自分にはとてもよかったです。これからは労組の組合員として少しでも何か活動できればよいと思いました。


《労働学校全体について》
 
夜勤明けからの参加だったので体力がもつか心配でしたが、分散会や交流会などで、自分の職場のことや他の方の職場のことを語り合うことができて、とてもよかったです。自分の職場では、人数が少なく日々過酷な勤務状況なのでなかなか語り合うことができませんし、病院全体の状況なんて目を向けることができませんでしたが、帰って職場に戻ったら、労組らしいことをなにかできたらいいなと思いました。




組合が誰のためのものであるか理解する事ができた

 民間病院 20代看護師

 
初めての労働学校の参加で、自然の中でさまざまな事を学ぶ事ができました。

組合の執行委員になって、まだ一年。組合員が増えずに減っていく現状はどうやったら変わるのだろう?と思いながら悩んでいました。

まずは自分に基本的な“労働組合”とは何かを学ばせてもらい、労働組合の歴史、活動、必要さ、誰の為のものであるかを自分なりに理解する事ができました。

時代と共に社会全体が変わっていく中、労働組合も歴史をふりかえりつつ、それを受け止める事が大事だなと思いました。

まだまだ、どうやって進んでいけばいいのか、模索中ですが、知識だけはきちんと入れなければ、伝える事もできないなと実感しました。

これから少しずつ知識を増やしていきたいと思います。職場の意見を聞ける組合にしていきたいです。


《労働学校全体について》
 
空気がとてもきれいで気持ちの良い場所で行われたことに感謝します。

食事はおいしくお風呂も気持ち良く、ストレスから開放されて講義が聞けたので、聞きやすかったです。

長い歴史がある労働学校だと聞き、労働組合の人達は熱心な方が多いなと思いました。

スケジュールがきちんときめられていてスムーズに進められ、きちんと息抜きや遊びも含まれていて、過ごしやすい2日間でした。




根岸病院労組勝利判決!

初任給の変更は労組との協議が必要!

 東京医労連定期大会でも当該労組から訴えがあり、カンパや東京高裁宛要請署名にご協力をお願いした、根岸病院労組の初任給大幅引き下げに関わる裁判判決が昨日(7/31)東京高裁で出され、一審の不当な地裁判決を見事に覆し逆転勝利判決を勝ち取りました。東京医労連加盟組合をはじめ、全国の医労連の仲間からも短期間で約2,000筆の署名が集まり、その署名を持って東京高裁に2度に渡る要請も行なってきたことが逆転勝利判決につながったと確信しています。ご支援いただいた多くの仲間のみなさんにあらためて感謝いたします。ありがとうございました。
 判決内容の一部をご紹介しますと、「初任給はその後の賃金のベースとなる。入職年が異なることで初任給額が異なれば、同じ経験年数の者(中途採用者など)でも大幅な賃金格差が生ずる。大幅な賃金格差があることは、労使間の交渉において、賃金の高い労働者の賃金を抑制する有形無形の影響を及ぼす恐れがあるのみか、労働者相互の間に不満、あつれきが生じ、組合員の団結力に依拠し賃金水準の向上をめざす労働組合にとって看過しがたい重大な問題というべきである。」「本件初任給引下げは短期間のうちに組合員相互の労働条件に大きな格差を生じさせる要因でもあるから労使交渉の対象となることは明らかである。」として、初任給の変更は義務的団交事項にあたると認めています。
 残念ながら、初任給の一方的な引下げが組合の弱体化を狙った支配介入に当たると主張していた労組側の訴えは退けられましたが、いずれにせよ、病院側が主張してきた「入職直後は組合員ではないのだから、入職者に関わる初任給額の決定は病院側の専権事項である。」などと言うバカげた主張は完全に否定され、東京地裁が出した「直接に今いる組合員に影響するものではないから、労組側の不利益にあたらない。」などの不当な判断も崩されました。
 初任給が、労組との協議もなく経営者の裁量で一方的に引き下げられるなどの判例が残ってしまっては、今後の労働運動にも禍根を残すとの想いでたたかってきましたが、東京高裁がまともな判断を下したことにより安堵しています。しかし、恐らく病院側は最高裁に上告することが予測されますので、運動の手を緩めることなく取り組むことが必要です。引き続き仲間のみなさんから根岸病院労組に対するご支援をよろしくお願いします。

根岸高裁判決(PDF)


東京医労連第74回定期大会開催される!

(7月13日〜7月15日)

38組合171名が参加、たたかいの方針を決定!!


 今年の定期大会は、昨年と同じ群馬県磯部温泉「ホテル磯部ガーデン」で開催されました。そして、40名を超える大会代議員・傍聴者が発言して、たたかいの方針を決定し、新しい役員を選出しました。詳しくは、近日中に発行される東京医労連機関誌「医療のなかま」の「大会特集号」をご覧下さい。
 それに先だって、『大会宣言』と『大会特別決議』を掲載します。


大会宣言


 私たちは、7月13日から15日の3日間群馬県磯部温泉にて、第74回定期大会を38組合171名の参加で開催しました。生活やいのちを破壊する構造改革路線や憲法改定に対する不信感から、昨年7月の参院選では自民党が歴史的大敗北をしました。医療現場は人員不足の中でも、2年連続で秋のナースウエーブを成功させました。私たちの粘り強い運動が医師・看護師不足を社会問題にさせました。その結果、08年診療報酬は本体部分だけではありますがプラス改定となり、医師養成数の見直しをさせるまでになりました。また後期高齢者医療制度も、野党の提出した「後期高齢者医療制度撤廃法案」が参議院で可決されました。闘えば政治は変えられると実感した1年でした。
 大会では46本の発言がありました。賃金部分ではベースアップにこだわった組合の報告が多くありました。第一次回答に甘んじず5回にわたる団体交渉でベア3100円の上乗せ回答を勝ち取った精研労組。8年間のベアゼロ回答に歯止めをかけ、500円のベースアップをさせた民医労ほくと医療支部。慈雲堂労組では経営危機を職員に知らせ、職員の意誠を高めた結果、経営改善と一時金カット分の支払いをさせました。パート労働法の改正を力に、非正規労働者の時給を上げさせた報告も複数ありました。また、成果主義賃金を導入させない闘いは今後も課題となっています。増員署名では、女子医大は当局に対し院内に常設の署名台を置かせてほしいと申し入れ「労組のみならず病院全体で取り組むべきもの」として協力が得られました。女子医大の取り組みは他の病院へも影響を与えました。東京医大では執行部2人で全医局を回り、研修医を含め100名を超える署名を集めました。院内だけでなく駅頭署名や地城労組の協力を得て、短期間で多くの署名が集まりました。
日大板橋のナースコール個別化に向けての4年にわたる闘いでは、医労連の申し入れによって当局の重い腰があがりました。医労連の力が発揮された報告でした。働き続けられる職場づくりのために南部では「働くママさんナースアンケート」をとり、2次保育の費用を全額経営者に負担させることができました。民医労健友会支部では、経営側の週労働時間延長の提案を、組合側から経営改善提案をすることで跳ね返しました。福祉分野では介護報酬の低さから、生活が成り立たない介護労働者の切実な実態報告がありました。メンタルの問題や労働条件の悪さなどにより、1年未満の離職率が4割を超える驚くべき状況が報告されました。若者の間でも9条を守る運動が広がっています。健友会支部では青年部が「憲法学習会」に取り組み、「憲法」という言葉へのアレルギー反応が減ってきたとの報告がされました。
 全医労武蔵支部の「荻山駅にエレベーターと多目的トイレの設置」の取り組みでは、民主団体や地域の人との連帯で要求を実現しました。今年の最重点課題となった組織強化活動では、「1割純増」を合言葉に「職場で・昼休みに.青年を中心に.エレベーターの中で」いつでも誰にでも積極的に取り組むことが必要との報告が多くありました。健文では非正規労働者のユニオン化に取り組み始めました。非正規労働者が増える中で「すべての労働者を視野に入れた取り組み」が大切となっています。
原油高・食品の高騰など、生活に欠かせないものの値上がりが相次ぎ、働くものの生活は年々厳しくなるばかりです。今こそすべての国民と手をつなぎ、労働組合が先頭に立って運動を進めるときです。今大会を確信に、仲間を増やし組織を発展させることを決意し、大会宣言とします。

2008年7月15日
東京地方医療労働組合連合会
第74回定期大会


憲法を活かし、いのち・暮らし切り捨ての悪政の転換を求め、医療・福祉労働者の大幅増員で安全・安心の医療・福祉・社会保障制度を実現しよう!!

−憲法を活かし、安全・安心の医療・福祉・社会保障制度を実現する特別決議−

 福田政権は2割を切るような支持率にもかかわらず「社会保障費2200億円の削減」や社会保障の財源を口実に消費税増税もねらうなど「構造改革」路線をおしすすめています。そのもとで、医師・看護師・介護職員不足による地域の医療と介護の崩壊の危機は進行し、医療・介護の空白地域が生まれ、行き場のない「医療難民」「介護難民」がこれまで以上に広がって来ています。そして、原油をはじめとした諸物価の高騰が生活を圧迫し、「格差と貧困」の拡大、ワーキングプアの増大に拍車をかけています。まさに、これは国民のいのちと暮らしを切り捨てる政治です。
 しかし、昨年の参議院選挙での自公の歴史的大敗を節目に、国民の運動と世論が政治を動かす、たたかえば変わる新しい情勢が展開しています。
 参院選挙後、改憲の策動は大きく後退し、短い期間でしたがインド洋からの自衛隊の撤退、「読売」の世論調査でも「憲法改正反対」が賛成を15年ぶりに上回り、名古屋高裁での「自衛隊のイラク派兵は憲法9条違反」の判決が確定し、「9条の会」が7000を超えるなど、憲法を守る国民の運動の広がりが新たな局面を切り拓いています。また、自立支援法の抜本的見直しのたたかいの前進、大気汚染裁判での勝利的和解と東京での喘息患者医療助成制度を勝ち取ったたたかい、薬害肝炎訴訟の勝利和解、ハンセン病基本法の成立、後期高齢者医療制度中止・撤回の世論の高まりを背景に参議院で廃止法案が採択され衆議院では継続審議となっています。目に見えて、国民の運動と世論の高まりが現実に政治を動かしはじめています。
 医師・看護師をふやせの運動も大きな世論となり、医療政策の転換をはかるまでに前進しました。昨年の7月5日には「安全・安心の医療と看護の実現に関する請願」が参議院で採択されました。医師確保対策では予算が3倍にも増え、医師数削減の方針も見直されることになりました。また、超党派国会議員による「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」が結成され、「社会保障費2200億円削減阻止」「医療に財源を」での一致が見られています。そして、勤務医が労働条件改善を求めて6月8日に「全国医師連盟」を設立しました。介護では、4月25日、「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律」が国会で可決されました。
 たたかいによって、世論をつくり、情勢を打開し、政治を変えてきたことを確信にして、さらに医療・介護の崩壊を許さない大きなたたかいを国民・患者・利用者とともにつくりあげていくことが求められています。
 憲法を活かし、いのちと暮らし切り捨ての悪政の転換を求め、医療・福祉労働者を大幅に増やして安全・安心の医療・福祉・社会保障を実現しましょう!!そして、きたるべき総選挙では福田政権の「構造改革」路線による悪政に「NO!」の審判を下していきましょう!!私たち医療・福祉労働者は、その運動の先頭に立って奮闘します。
以上、決議します。

2008年7月15日
東京地方医療労働組合連合会 第74回定期大会


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