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賃金・労働条件

 

2004年度運動方針・私たちをめぐる情勢の特徴から(04/7月)

労働者の状況

<急がれる国民生活と医療現場の改善>

 

1) 4月の完全失業率は横ばいで前月と同率の 4.7%となりました。24歳以下の若年層は10.8%で依然1割を超えています。完全失業者数は 335万人で前年同月比で50万人減ったものの前月比では2万人増えています。IT関連や輸出関連産業では、景気が上向きとなり雇用も増えるかのような観測もありますが、国民の消費が回復しない現状のもとで、財界の総額人件費抑制の戦略では、深刻な雇用問題の抜本解決にはつながりません。

2) 医療現場の実態は深刻です。春闘アンケートでは、「疲れる93.2%(とても50.0%・やや43.2%)」となっており、「増員50.7%」が第1位の要求となっています看護職は「疲れる96.9%(とても56.5%・やや40.4%)」と際立っていますが、医療技術89.5%、事務84.1%、技能労務81.5%、介護職90.5%となっており、労働者全体調査の「疲れる722%」(厚労省「労働者健康調査の概要」03年8月)と比して、10〜20ポイントも違うのは異常な実態にあることを示しているものです。また、看護職員のメッセージ運動からは8割以上が人手不足を訴え、人員不足でいつ事故がおきてもおかしくない、健康も蝕まれ「やめたい」が続出するなどの実態が浮き彫りになっています。仕事に追いまくられ、心身ともに疲れ果て、健康不安におびえ、バーンアウトが広がっている状態にあります。患者の受ける医療にも深刻な影響が現れ、自らの大変さ以上にゆきとどいた医療・看護ができないことを切々と訴えています。「いい仕事がしたい」という要求に依拠し、取り組みの強化をはかることが求められています。

3) 在院日数を短縮すれば収入が増えると、どこの病院も在院日数の短縮に必死です。しかも医療機関で最大の人員となる看護師をはじめ労働者の人数は基準ぎりぎりにしてきています。そのため医療現場では医療の高度化と相まって厳しい労働環境となっています看護師の場合は、入院時には10数枚の添書をかかなくてはならず、しかも次々と患者が入院、退院、転ベットと患者の状態を確認するにも大変。医療事故を未然に防ぐためのダブルチェックなど仕事は増えても人員は変わらずという状況で、医療事故発生すれすれで仕事をこなしている状況です。

4) 長時間の緊張が連続する労働で、有給休暇もなかなか取れず、「不払い時間外労働」が常態化し、10数時間の拘束時間が依然として改善されない実態があり、労働者のメンタルヘルスにも悪影響を与えています。東京民医連共済の資料では、傷病で休んでいる理由のトップは精神障害で割合も20%を超え、ここ5年間で倍加しています。医療現場に働くルールを確立することが重要となっています。「民営化」「効率化」が叫ばれ経営効率第1主義が横行するなかで、安全・安心の医療現場確立への期待、ゆとりある職場環境確立が労働組合に求められています。医療現場に人間らしい働く環境を取り戻すために、不払い時間外賃金(サービス残業)改善と増員を一体の課題に位置づけ、職場から取り組むことが急がれています。同時に、これらを措置できる財政的な保障(公的資金、診療報酬など)を求める運動の強化と合わせ、対使用者・対政府への要求闘争を強めることが求められています。


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