トップ/ もくじ/ 政治経済の動き/ 医療・社保/ 賃金・労働条件/ 看護闘争/ 組織・たたかう仲間/ 行動日程
賃金・労働条件

職能給は医療と相容れない

(03年12月医療労働者掲載)

 職能給・成果主義賃金を導入しようという動きが強まっています。しかし、これは賃金を切り下げ、チーム医療を破壊するものであり、医療とは相容れません。導入を許さないたたかいを徹底して強めましょう。

 

狙いは人件費抑制

 産業界では、80年代の後半から、「総額人件費管理」という考え方がひろがり、能力主義賃金導入の動きが強められてきました。医療や福祉の分野では、@業務が独立的でなく集団業務、A公共部門、B専門的な職種の集団で評価の統一性がむずかしいなどの理由で、能力主義人事への転換はすすみませんでした。

 しかし、診療報酬のマイナス改定などを背景に、医療・福祉の職場にも、人事考課と一体に、能力主義賃金・職能給導入の動きが強まってきています。

 導入しようとする経営者は、「各人のがんばりを評価する」など、聞こえのいいことをいいます。しかし、実際の狙いは、「総額人件費の抑制」です。定期昇給制度を破壊して、人件費を大幅に切り下げるものです。実際に導入された病院では、50歳で現行40万円あまりの賃金が、標準的な人で28万円程度にしかならないというひどい例さえ報告されています。

 今でさえ低い医療・福祉労働者の賃金水準をいっそう押し下げるものであり、絶対に認めるわけにはいきません。

 

チーム医療に逆行

 職能給・能力主義賃金は、個人の評価を賃金に反映させるのですから、必ず人事考課とセットで導入されます。

 いい評価を受け賃金を上げたければ、人と競争して上回る必要があります。職能給が導入された職場では、自分の技術や知識を同僚や後輩に教えないとか、足の引っ張り合いが起きるなど、職場がばらばらになっていくと報告されています。

 医療は患者を中心に、専門職がお互いを尊重しあって、力を合わせてチームでおこなうものです。競争をあおる制度のもとでは、集団としての工夫や創意が失われます。24時間交替制勤務で、チームとして患者を診る医療・福祉では、全員が協力しあい、全体の技量を向上させることこそ必要です。

 職能給・能力主義賃金は、チーム医療を破壊し、安全を脅かすものであり、医療とは相容れません。

 

公平な評価はできない

 人事考課が導入された職場では、「まず、評価する人を評価する必要がある」「あの人に評価されると思うとぞっとする」など、不満の声が強く出されています。

 いくら仕組みを精緻にしても、人間がおこなう以上、好き嫌い・先入観・思惑・甘辛・イメージなどの主観がどうしても入りこんでしまいます。「上司にゴマをする人ばかりが高い評価を受けている」、こんな声も各地で聞かれます。

 そもそも、その評価基準には、経営者の主観的な「企業人」としての期待像が盛り込まれるのであり、真に公平・公正な評価はできないのです。

 

士気が低下する

 導入された企業では、「脚光を浴びる仕事で評価を得たいがために、地味だが大切な仕事を避ける傾向が出てきた」「面倒なことや半年で評価の出ないことは、やりたがらない」「失敗しないようにと、チャレンジ精神がなくなる」という傾向が広がっているそうです。

 いい評価を受けて実際に昇給していく人は少数で、かえって全体のやる気もそがれていきます。

 賃上げを実現したければ、高い目標を掲げて人以上に努力しなければなりません。それを達成できても、次はもっと高い目標を掲げなければなりません。長時間過密労働と精神的ストレスにさらされ続ける結果にもなるのです。

 

労働組合に団結して

 人事考課・職能給の下では、経営者に言いなりの労働者づくりがすすめられます。労働者の団結が破壊され、労働組合の弱体化にもつながります。したがって、いっそうの「合理化」、過密労働が押し付けられることになります。

 労働組合に団結して、導入を許さない世論づくりが大切です。

 「社会的役割にふさわしい賃金」求める運動は、私たちの労働への正当な評価を求めるものであり、能力給導入を阻止する最大の反撃でもあります。

 

 


東京医労連トップページもくじ戻る