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賃金・労働条件

《日本医労連賃金政策》

医療労働者の社会的役割にふさわしい賃金を

(03年12月)

 医療・福祉労働者は、いのちを守る専門職です。しかし、その賃金は他産業労働者より低いのが実態です。日本医労連は、「社会的役割にふさわしい賃金」を実現するため、総合的なたたかいを呼びかけています。

他産業より低い賃金

 医療・福祉労働者は、人のいのちと健康に直接たずさわる専門職労働者です。職場は目の回るような忙しさで、心身ともに大変な状況です。

 しかし、賃金は、他産業労働者よりもかなり低いという実態です。

 厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(賃金センサス)」によると、医師除く医療業の所定内賃金の平均は二年連続で下がり、約26万8200円です(2002年現在)。他産業労働者と比較すると、3万5400円も低いのです。

 年収では、医師除く医療業の平均は405万4000円で、他産業労働者とは60万円近い格差です。

 福祉労働者の賃金は、さらに低くなっています。賃金センサスでみる所定内賃金は、福祉施設介護員が21万1800円、ホームヘルパーが19万8300円という低水準です。

 日本医労連の春闘アンケートでは、3分の2(67・8%)の組合員が、「生活が苦しい」と回答しているほどです。

 日本医労連の春闘結果は、11年連続で前年実績を下回っています。この二年は、九割の組合がベアゼロに押さえ込まれ、他産業との賃金格差もこの数年、再び拡大しています。

なぜ、こんなに低い

 医療・福祉労働者の賃金はなぜ、こんなに低いのでしょうか。

 医療機関・福祉施設の収入は、診療報酬や介護報酬、支援費など、国や自治体の制度に大きく左右されています。国の低医療費政策、社会保障抑制策の下で、私たちの賃金も不当に低く押さえ込まれているのです。

 医療機関・福祉施設の最大の支出項目は人件費です。安全を保障するためにも、人員配置の評価が不可欠なはずです。しかし、診療報酬や介護報酬では、人手・人件費に関する点数評価はまともになされていないのが実態です。

 また、医療・福祉では女性労働者が多数を占めていますが、男女差別の影響も色濃く受けています。

 こうした下で、医療・福祉労働者の賃金に強い影響力を持つ人事院勧告の医療職・福祉職俸給表も低い水準で設定されています。

 さらに、過酷な勤務のために、専門職労働者でありながら、離職者が後を絶たないことが、いっそう賃金水準を押し下げる結果となっています。

社会的にたたかう

 したがって、私たちの賃金水準を抜本的に改善するには、個別経営者とのたたかいに止まらず、診療報酬・介護報酬をはじめとして、国の制度・政策を変えさせていくことが不可欠の課題です。

 特に今、医療・社会保障が改悪されているもとで、国に対するたたかいの徹底した強化が必要です。

 そのため、患者・国民の支持をひろげ、社会的にたたかっていくことが、非常に大切です。

 社会的なたたかいを推進するためにも、産別統一闘争をいっそう強化し、全国の仲間が力をあわせてたたかうことが大切です。経営最優先の姿勢に終始し、賃下げや職能給導入など、労働者にばかり犠牲を押し付けようとする経営者には、産別の力を集中し、断固とした反撃をおこなうことが必要です。

 また、リストラ・雇用不安の下で、不安定雇用が拡大し、労働者全体の賃金が切り下げられています。雇用と賃金守る全労働者規模、国民春闘の強化も大切な課題です。

医療まもるたたかい

 社会的役割にふさわしい賃金を実現するということは、いのちを守る私たちの仕事に正当な評価を実現することでもあります。

 したがって、このたたかいは賃金に止まらず、人員配置引き上げとも密接で、安全でゆきとどいた医療・看護を実現するためにも重要なものです。人員抑制が徹底され、賃下げ攻撃が強まる下で、一部の職場では、大量の退職者や職員の士気低下が出ていますが、こうした実態を克服するためにも重要なのです。

 同時に、いっそう強まっている医療・社会保障改悪攻撃そのものへの反撃でもあります。受診抑制がすすみ、医療の営利化攻撃が強まっていますが、お金の心配なく、安心して医療・社会保障を受けたいという広範な国民と共同して運動を発展させていくことが必要です。国の財政を国民のいのちや暮らし、社会保障中心に変えさせていくことが求められています。


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