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政治・経済の動き

2004年度運動方針・私たちをめぐる情勢の特徴から(04/7月)

政治・経済の特徴

<大きく広がる戦争反対、憲法まもれの世論

     求められる政治と経済の転換、大企業への規制>

 

1) イラクでは、アメリカ占領軍とイラク国民の要求との矛盾が拡大し、戦闘と混乱が続いています。このような中で3月20日、世界各地でイラク戦争反対を中心課題とした統一行動が行われ、日本でも数千ヶ所で数十万人が「平和をまもろう」と行動しました。アメリカによる大義のない戦争であったことが明白となり、占領軍との衝突が各地に広がりいまイラク全土は危険な戦争状態にあります。このような中でスペイン、タイをはじめ外国軍の撤退がはじまっています。国連を中心としたイラク国民による復興の方向で国連決議がなされましたが、一方、7月の暫定政府への主権委譲へ向けて自爆テロなど頻発して

ブッシュ大統領とこれに追随する小泉首相・自公政権の自衛隊派兵継続の是非が鋭く問われています。

2) 4月はじめのイラク国内での日本人5人の拘束は、断じて許されない蛮行であると怒りが広がりました。自衛隊の撤退が政府に突きつけられたこともあり、自衛隊の派遣問題が正面から浮かび上がり、様々な角度からの世論がこの国を揺るがしました。人質救出を求める集会やデモ・署名が広がる中で、首相官邸からの情報操作がおこなわれ、メディアの対応を巡って批判が渦巻きました。とりわけ、自衛隊派遣を強行した政府責任を逸らす「自己責任論」についての意図的な世論操作が行われたことは、「戦争する国」となった危険な動向を端的に示すものです。この問題は、外国への復興支援のあり方はもとより憲法と平和の問題を根底から考えさせるものです。

3) 自衛隊のイラク派兵に続き、多国籍軍に自衛隊を参加させるとの小泉内閣の閣議決定は憲法違反の暴挙です。このような状況のもとで自民党は憲法9条の改悪を始めとした憲法改悪の草案を来年11月までにまとめるとしています。民主党も2006年までに改憲案を示すとし、国連の軍事活動に参加することを否定していません。平和憲法をもつ日本であるからこそ中東などの諸国から信頼されている前提を突き崩すものです。このような動向に対し、大江健三郎氏や加藤周一氏などわが国の知性を代表する著名な9氏が「『改憲』のくわだてを拒もう」と6月10日に「九条の会」の発足させ記者会見を行いました。「平和憲法を守れ」の声、世論を大きくする運動に全力を上げる事が必要です。

4) 小泉「構造改革」は長期の不況による国民生活の悪化をもたらし、医療・社会保障の体系は「市場化」「民営化」の攻撃にさらされています。金融や経済の不安定さは深刻で、首きり・リストラは容赦なく労働者とその家族を襲い、若者層は深刻な失業状態におかれ、未来への希望を失いかけています。昨年秋の総選挙で「二大政党論」が関心をあつめたものの、自民党政治の枠内での野党第1党対決と指摘されているように、民主党の国会対策や年金問題での国民要求との乖離に失望感が広がっています。将来に対する危惧と不安の中で、政治と経済の中心に医療・社会保障を据えることや、イラクへの自衛隊派兵中止などの世論と運動をひろげている労働組合の役割が重要です。国政選挙では、その要求実現をめざして取り組むことが切実に求められています。

5) トヨタのグループ全体で1兆円台の史上最高益の更新はじめ、大企業主要20社の経常利益は5兆 3,181億円と前年比58%に増やしています。にもかかわらず、新規採用の中止、希望退職、退職者不補充などの従来型人員削減に加えて、会社分割、持ち株会社の設立、社内カンパニー、業務委託などの事業再編による新たなリストラをしかけてきています。女性、高齢者、外国人を含む多様な非常勤職員の拡大に止まらず、請負、委託、ボランティアなど、労働法制の対象とならない就業形態の開発など「働きかた」を変えようとしています。成果主義賃金体系の導入による人件費削減もふくめ、雇用と賃金・権利が破壊されようとしています。しかも、この15年間の法人税減税は 131兆円で消費税累計の、 136兆円に相当するもので、特権的減免税に批判が集中しています。労働者と国民生活犠牲の政治の転換、大企業の大もうけと社会的責任を果たさせる規制など、矛盾の拡大のもとで政治と経済のあり方を転換することが求められています。

 



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