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医療・福祉、社会保障

 

東京の医療・保健の状況(04/06月)

=東京医療関連協第12回総会議案より=

 

1) 昨年8月末までに行われた「病床区分の選択」で、東京の医療機関の81.3%は一般病床を選択しました。一般病床から療養型病床に誘導し、療養型病床は介護保険へと切り換え、医療機関の縮小・再編へと政策誘導する厚生労働省の施策に対し、多くの医療機関はNOの返答を与えました。

2) 東京都の保健医療計画では、療養病床と一般病床で、既存病床数が 106,037(平成14年9月1日)ベットに対し基準病床数が 100,811ベットとなっており、二次医療圏の内、区中央部(千代田、中央、港、文京、台東)、区南部(品川、大田)、区西部(新宿、中野、杉並)、区西北部(豊島、北、板橋、練馬)、西多摩(青梅、福生、羽村、あきる野、瑞穂、日の出、檜原、奥多摩)が病床過剰であるとしています。一方精神病床は不足、結核病床は過剰としています。

3) 石原都政のもとで、都民の生活を守る使命を持つ都政の役割は後退し続けています。就任以来の石原発言は、人権否定からはじまり、外国人差別、女性蔑視、戦争賛美など憲法違反の発言を繰り返し、都民ばかりではなく国民全体の反発を引き起こしています。

4) 都政運営は、小泉内閣の「三位一体」の国民犠牲の「改革」を先取りして、職員と都民生活を犠牲にした「強権的・圧政的」なものとなっており、まさしく強者の論理にもとづいた財界べったりの都政運営となっています。

5) 「東京再生」などとした、臨海部の開発・大規模道路建設などを進めるための財源を確保するため、「東京構想2000」「都政改革ビジョン」「財政再建推進プラン」など、都民犠牲の「都政リストラ」を推進し、福祉・医療分野の民営化、独立行政法人や指定管理者制度を使って事業から撤退する、PFIの導入など、行政の仕事を営利目的の民間企業に売り渡しを進め、医療・保健・福祉・教育などの施策を切り捨てています。

6) 今後3年間で4000人の職員削減計画強行するため、今年度では都立大久保病院の公社化を行うなどをはじめ1444人の削減をするなど、医療や福祉等の直接都民へのサ−ビス部門を切り捨てています。多摩地域にある東京都の保健所の廃止統合や公費医療制度の改悪なども切実な都民要求を押しのけてすすめて来ています。

7) 保健科学大学を含む都立大学の「改革」では大学当局も合意していた「大学改革大綱」を一方的に破棄し、地方独立行政法人にもとづく「新大学作り」を多数の教職員、学生の反対を無視して強行しようとしています。

8) その一方では、「お台場カジノ」や「後楽園競輪」などの都民の注目を集めるためにパフォーマンスしながらすすめてきた「構想」は各界からの多くの反対の中で頓挫しています。

9) 職員に対しては、賃金削減・職員定数の削減、民営化による職場縮小などの攻撃を加え、住民サービスを充実させる方向と反した事態が生まれています。知事サイドの「トップダウン」の押し付けに反発せず黙々と従う職員づくりのため、意識改革の推進を強化しています。毎年の自己申告では自己目標を効率性を優先した事項を中心に設定させ、その結果に基づく業績評価を実施するとともに下位の評価を受けた職員に対しては賃金削減を行うなど、利用者の立場に立った公平・公正な住民サ−ビスを困難にしています。公務労働に採算性と効率性を最優先し、競争原理を持ち込むばかりでは住民の望む良質なサービスの提供はできません。職員の競争を煽り、都が進めるリストラに邁進させる職員管理を職務として締め付けられている中間職制の状況もさらに深刻さを増しています。

10) 都立病院の統合・民営化はこうした都政運営のもとで乱暴に進められようとしています。

 



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