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医療・福祉、社会保障

(04年1月新年号医療のなかま掲載)

小泉流年金「改革」でどう変わる?

許せない!自公政府の年金大改悪

「公的年金制度」は、憲法二十五条(生存権)に基づいて実施され、すべての国民に「最低生活保障」を基本とする社会保障制度の大切な柱です。

この大事な年金をこれから数十年先まで、保険料は毎年引き上げる一方で、支給額は自動的に引き下げるーこんなとんでもない話があるでしょうか。

【年金制度はこう変わってきた】

 一九五九年に始まった年金制度に対し、政府は一九八五年の改悪で二十年間の期間を設定する中、年金額の三五%切り下げ、保険料の三倍化、年金支給開始年齢の引き延ばしなどを決定。その改悪プランに沿って、一九九四年には「老齢厚生年金」支給をほぼ半額に引き下げ、二〇〇〇年には「老齢厚生年金」支給開始年齢の段階的引き上げスタート(二〇一三年完了)、二〇〇三年には賞与にも保険料を課す「総報酬制」の導入と物価スライド〇.九%削減を実施しました。一九八五年から今年は丁度二十年目の年になり、今回の年金大「改革」は部分手直しにとどまらず、「恒久的な改正(骨太方針第三弾)」という性質を持つ大改悪となっています。

【年金大改悪案(厚労省案)の中身】

保険料負担は、現行の年収の一三.五八%から二十%まで毎年引き上げられます。給付については、少子化率の進行や経済情勢などにより自動的に引き下げられる仕組み(マクロ経済スライド)を導入し、現在現役世代の年収の五九.四%の給付を、五〇%程度に引き下げる内容です。

負担増を押し付ける一方で、年金財源の安定に欠かせない国庫負担割合を三分の一から二分の一に引き上げる問題は先送りにしています。更に国庫負担二分の一への引き上げの場合に必要な財源は、庶民増税(六十五歳以上の年金受給者への課税強化や、所得税の課税最低限の引き下げ。)や消費税増税が浮上しています。

他にも、支給開始年齢六十七歳への引き上げ、専業主婦からの保険料徴収、パート労働者も年収六十五万あれば徴収など、保険料の徴収強化と給付の削減を検討しています。

【大改悪を阻止しよう!】

年金大改悪をストップさせ、国の負担で誰でも月額七万以上の「最低保障年金制度」の確立をめざしましょう。その財源は、先進国の中でも異常に高い公共事業費や軍事費の見直し、「大企業優遇減税」の撤廃などに求められます。また雇用拡大と少子化対策も、「年金の支えてを増やす」ためにも必要です。

 政府・与党の年金改悪と消費税増税のたくらみを許さず、世論と運動をさらに大きく広げ、国の責任で安心して暮らせる年金制度を確立させましょう。



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