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医療・福祉、社会保障 |
04年春闘 医療・社会保障をめぐる情勢の特徴(04年1月) 国民生活を圧迫する医療・社会保障改悪の動き (1) 《年金大改悪》小泉内閣は総選挙後に先送りしていた年金大改悪の具体化に手をつけはじめました。厚労省は12月17日、厚生年金の保険料を2017年度には年収の18.35%(労使折半)にまで引き上げ、給付は収入の範囲ないで自動的に引き下げる「保険料固定方式」を採用し、最終的には現役世代の50.1%(59.4%)を「下限」とする年金改悪安を決めました。選挙が終わるや否やの改悪計画で自民党政府の常套手段のやりかたです。厚労省の改悪案は、働いていた期間の年収平均が450万円の労働者の場合で2017年まで毎年0.354%(労使折半)引き上げられます。年収450万円の平均的な労働者で2017年には年間で現在より10万7325円、年収750万円の労働者で17万8875円引き上げられます。 (2) 《健保改悪》02年10月からの高齢者窓口負担増と03年4月からの健保本人3割負担増と保険料引き上げによって国民の負担増は1兆5〇〇〇億円にものぼりました。医療連続改悪で景気をいっそう冷え込ませるだけでなく深刻な受診抑制を引き起こしています。病院外来は1割近く減少していますし、保団連調査では「受診を控えたい」が6割にも上りました。小泉内閣は「医療費で財政が破綻する」と医療改悪を強行しましたが、健保財政の危機を生み出してきたのは歴代の自民党政府にあります。中小企業の労働者が加入する政管健保の保険収入でみると、99年以降4年連続で減少し、その原因がリストラ・賃下げによる加入者減、約5000円もの標準報酬月額の減収にあります。政府は医療費の国庫負担を減らして財政危機をつくり、保険料をアップして受信抑制を促進し、国民の健康を悪化させ、景気を冷え込ませるという悪循環を生み出しています。 (3) 《国民健康保険》国民健康保険料(税)は、応能負担と応益負担の割合が段階的に変更され、10年前と比較すると一人当たりの均等割額(定額)が1万6800円から2万9400円に、所得割料率(所得に応じて)が100分の107から100分の204に引き上げられました。長引く不況による失業やリストラによって職を失った労働者が社会保険から国民健康保険に代わるときに、前年の収入にたいする保険料が請求され高額なために支払うことができない国民が増え、自治体の収納率は全国平均で85〜86%の水準となっています。このため自治体は資格証明書や短期保険者床の発行が増え東京23区全体で、資格証明書が8589名、短期保険者証が11万2202名発行されています。保険証の未発行者数も増え、足立区では4000名も未発行となっています。資格証や短期保険者証、保険証未交付の人が病気になっても医療機関の受診を控え、重症になってから受診するために死亡した事例も報告されています。 (4) 《介護保険》2005年には介護保険制度の見直しが予定されていますが、厚労省は@保険料の徴収対象を現行40歳以上から20歳以上に広げるA障害者施策を介護保険と統合し、障害者からも保険料を徴収するなどを検討課題としています。国の責任を棚上げして国民に負担を拡大する方向をさらに強めるもので容認できるものではありません。介護保険が発足してから4年。在宅で安心して受けられる介護やサービスが選択できる制度への掛け声と程遠い状況です。在宅サービスの利用状況は4割、認定された必要とする介護者のうち70万人がサービスを利用していません。一方で特養ホームは不足し、入所まで2〜3年かかる状況にあります。在宅サービスが利用できない最大の原因は思い利用料負担と介護保険料にあります。03年4月から65歳以上の保険料が13.1%引き上げられ、7月からは低所得者の利用料が3%から6%に引き上げられたことも矛盾を激しくしています。 (5) 《診療報酬》03年4月の診療報酬引き下げや相次ぐ医療連続改悪による患者減医療収入減は、厚労省の03年医療経済実態調査結果からもあきらかになりました。11月26日に厚労省がまとめた2003年6月調査によると介護保険収入のない無床の一般診療所の1施設あたり医業収入は前回同月調査より13.9%減少、医業費用も13.8%減となりました。費用は人件費と薬剤費の2ケタの減となり、人件費の削減によって利益をあげていることが明らかになりました。一般病院では平均病床率が増加しているために入院収入が増加したこともあって医業収入も34.6%増加しました。一方、人件費や薬剤費、診療材料費も増加し、収支は黒字を確保しているもののその額は前年より13.8%しています。また、厚労省の01年度病院経済指標によると一般病院の2割が赤字で99床以下では23.5%におよびます。 |
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