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一般病院部会

結核予防会、

強行導入の「成果主義賃金」は撤回

一般職「人事評価」は試行、賃金制度現行どおり

 

結核予防会に導入強行された成果主義賃金」は、11月19日の東京医労連あげての予防会スト支援よって、前日の団体交渉で「新人事制度の導入を一般職には試行に変える」と回答、これで組合はストを回避し、翌日は報告集会に切り替えました。

 

結核予防会労組の報告は以下のとおり。

 これまで組合は、「新人事制度」の問題で実質4回の団交を行って来ましたが、交渉の中で羽入専務は、当初の経営姿勢を誇示して全く同じことをただただ繰り返す不誠実な対応を続けて来ました。経営からの要望で組合は27項目に及ぶ「質問書」を提出して、具体的な内容について明示を求めましたが、羽入専務は組合の質問には何も答えず、「これまで充分時間を取り、答えられる範囲で充分答えている」として、合意のないまま「新人事制度」の強行実施を10月15日に行いました。実施に際しては、「辞令」の通知を行い、一方的な「規定」の変更を行って来ましたが、このことは現行賃金協定に違反し、また賃金規定の改定を求めながら不誠実交渉の上に組合を無視して強行実施をはかったことは明確な不当労働行為といえます。

このことを組合から抗議文で指摘されると、やにわに賃金協定自体の解約通告に及びましたが、このことは不当労働行為の上塗りにほかならず、このような解約申し入れは不当労働行為として違法無効であります。

組合は団交でも、また「抗議文」でも平成12年3月24日付けの賃金協定は、れっきとした労働協約であり、「新人事制度」の強行実施は、現在ある賃金協定に違反するものであることを指摘してきました。また、協定違反は労働組合法15条に違反する違法行為であること指摘してきました。これに対しても「法律論」は論じないとして、羽入専務は返答を避けて来ました。

これまで羽入専務は、肝心な部分や具体的質問には何も答えず、説明責任を果たして来なかった事実をねじ曲げて正当化して来ました。また、問題点についてもことさらおおい隠し、肝心の議論を抜きにして新制度が合理的であると主張することだけを続けていましたが、それには全く根拠がありません。

なお、経営側が解約申し入れを前提にするとしても、労働組合法第15条3項と4項により、申し入れ以後90日間は現行賃金協定は有効に存続し、その間、10月15日の「規定」は一切、協定違反として効力を有しないことに変わりありません。

組合は、厳しい医療情勢も認識しています。しかし、現在の結核予防会の財政は、10月15日に強行導入しなければ潰れるという状況ではありません。

組合が交渉の中で指摘して来た通り、これまでの「人事院勧告準拠」の賃金体系でも、「新人事制度」による賃金体系でも、総人件費枠が変わらないのは専務自身が認める通りであり、人件費によって結核予防会の財政が傾くようなことにならないのは明確に証明されてきたことは事実であります。

 現に、財政が厳しいとして、経営は5年間の中で年末ボーナスのカットを行っています。今回の年末ボーナス回答でも0.42ヶ月のカット、一般職の平均で1444,369円のカットを行って来ました。この間のカット額は約1ヶ月にも及び私達の生活に深刻な影響を及ぼしています。

 さらに回答の中で、扶養手当の跳ね返りをなくしたことにより妻と子2人のモデルケースでは63,220円のマイナスなります。一律を廃止したことにより、大卒事務のモデルケースでは18,584年のマイナスとなります。一方で管理職の手当を加算したことにより平均96,249円もの加算をしており、一般職のカットを財源に管理職優遇をしていることは明らかです。

また、「新人事制度」は評価をはじめ多くの問題点と矛盾点を抱えている制度であり見切り発車すれば、職員の反発が大きい中ではまともに機能することはさらに難しくなることは明白です。現行制度と照らし合わせても、不利益変更となる部分が多いもので、労使の話し合いの中でも組合の肝心な質問に答えず、歩み寄りすら拒否して、一方的な導入を進める羽入専務の行為は不当労働行為と言わざるを得ません。

組合から再三指摘している、「理事」を制度外に置き「評価」も「成績」からも外し人件費を特別扱いすることは、社会通念上からも経営の姿勢としても許されるものではなく、職員の理解も得られないものであることは当然と言えます。

これまでに労使による団体交渉は、実質4回しか行っていません。初めに10月15日に導入ありきとする羽入専務は、「充分時間を取って来た」ことを繰り返し、質問に対しての不十分説明についても「出来る範囲の説明をしており充分だ」とする、不誠実極まりない態度をとり続けていることに強いいきどおりを感じて来ました。労働組合との十分な話し合いがないまま強行導入を行った行為は、これまでの正常な労使関係を無視する不誠実極まりない行為であり直ちに改めることを組合は強く要求して来ました。

 組合は、強行導入を改めて10月15日以前の「新人事制度」導入前の状態に戻して、組合と充分交渉を行い合意の上で導入を進めることを合わせて要求して、やむなく抗議の半日ストライキに突入することを通告しました。

 組合がかまえたストライキは、東京医労連の産別だけでなく、地域の仲間の支援も受け大きな広がりをみせました。このことが結果として、大きな力となり複十字病院院長を始め経営側に見直しを迫る力となりました。

 11月18日の団体交渉の中で別紙の「あけぼの」にある通り、「成果主義賃金制度」の「新人事制度」の安易な導入を許さず、現行の「賃金制度」「労働条件」を守らせることが出来たことは、東京医労連や清瀬地区労の仲間の皆様の多大なるご支援と組合の頑張りによるものであり、私達組合は大きな自信となりなりました。19日当日は45組合・団体、90名の皆様にご支援頂きました。

 今後も私達組合は、共闘の力を大切にしていくとともに、患者さん、ご家族、利用者の皆様に対して「良い医療」「良い看護」を提供すべく奮闘していく所存であります。お忙しい中ご支援にかけつけて頂きました皆様に再度心よりお礼を申し上げます。本当ありがとうございました。今後ともご指導、ご支援のほどよろしくお願い申しあげます。

以上

2003年11月21日

結核予防会労働組合

中央執行委員長 机 正 文



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