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大学病院部会

04年春闘部会別大学病院をめぐる情勢について[04年1月]

 

 国立・公立大学の独立行政法人化、規制緩和による資本の医療参入、公的医療保険の形骸化、総医療費抑制を基本とした包括医療導入などにより医科系大学経営者は「大競争時代を勝ち抜く」を第一義的課題と位置付け、総人件費抑制、施設設備の増設、新設を同時進行させながら経営体質の強化をはかっています。すでに東京医労連大学部会に参加する7大学のいずれもが将来に向けた経営戦略を打ち立て、その推進に向け動き出しています。慶應では2002年〜2006年に向けた5カ年計画を公表し、組織的にも病院と医学部を分離させ、病院経営の最高意思決定機関(病院経営ボード)にはアサヒビール相談役を配置、女子医科大学も「病院の新生」「業務改革」を目指し伊藤忠出身者を配置するなど企業経営のノウハウを基本に据えようとしているのが特徴です。人事制度改革の柱は年功制賃金から成果主義、能力主義賃金(目標管理)への移行を基本に昇格・昇給、職制の任期制、降格制度新設など処遇全般に亘る制度変更を目指しています。すでに、日本医科大学では人事評価制度の労使交渉が2001年秋より行なわれていますが現段階では賃金・昇格への連動を阻止しています。一方、医師研修制度が2004年4月より変更となることに伴い、大幅な診療体制・業務分担の変更が必要となってきます。財政的にも研修医・指導医の処遇が大きく変更となるため影響が出るものと思われます。我々としては関西医科大学の研修医過労死事件以降、一貫して研修医の処遇改善と国の責任による財政措置を求めて来ました。その立場から、今回の制度変更は大きく評価出来るものです。しかし、不充分な予算措置、それに伴う医科大学の負担増は否応なしに我々労働者の労働条件にマイナスの影響を及ぼすことが予測されます。今後も医師養成に対する国の責任を明確にし、財政措置の拡充を求める取組みの強化が必要です。

 

 



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